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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

家族でしまなみ海道をサイクリングしてきました。その9

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#5291
サイクリストの聖地、多々羅公園にて

 1泊2日で、僕たち家族は尾道から今治に向かって、しまなみ海道をサイクリングしました。全走行距離は80km前後(寄り道をしなければ)、大人であれば1日で十分走破できる距離なので、挑戦するつもりで訪れても良いのではないでしょうか?とはいいながらも、何度か訪れている僕からすると、時間をかけてゆっくり回りたい場所でもあります。ただ通り過ぎるだけでは勿体無い、いつまでも眺めていたい風景があちらこちらにありますから。自動車やバイクでもよいのですが、これだけサイクリング環境が整っているので自転車が一番ベストかなと思います。僕自身、自転車で走った方が断然楽しかったです。

 子供達にとって達成感も得られ、充実した2日間になったようですし、ひと夏の良い思い出作りにもなりました。僕ら夫婦にとっては子供の成長を実感する良い機会にもなりました。

家族でしまなみ海道をサイクリングしてきました。(了)



OLYMPUS OM-D EM-1/LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH

家族でしまなみ海道をサイクリングしてきました。その8

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 しまなみサイクリング2日目。

 前日の疲れと暑さで中々宿から出発する気に慣れずチェックアウト時間までダラダラ過ごす。
 大三島から伯方島、大島。長男と次男は仲良く並走したり競争したりふざけ合ったりしながらも順調に自転車を漕いで行く。僕は嫁さんと自転車と車を交代しながら子供たちを追う。長男にはもはや熱中症で苦しんだ過去の面影はなく、底知れない体力に圧倒される。一方の次男は、出発当初のふらふらと危なっかしい運転から一転、長男に負けない勢いでペダルを漕ぎ続ける。この2日間で本当に自転車に乗るのが上手くなった。
 休憩の時には僕らの母艦、ホワイトベース(車)に積んであったクーラーボックスのジュースやスポーツ飲料で水分補給。10本以上買っておいたのに、それもあっという間に無くなっていく。

 大島にある最後の難所、亀老山展望台は3.9kmの激坂区間。あまりのしんどさに、途中何度もじけそうになる次男を励ましながら必死に上りきる。(本当は僕の方がギブアップ寸前だったことは内緒だ。)

 そうして16時過ぎ、ついに眼下に大島と今治を結ぶ最後の橋、来島海峡大橋を捉えた。



OLYMPUS OM-D EM-1/LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH
RICOH GXR×Ai Nikkor35mmF1.4S


家族でしまなみ海道をサイクリングしてきました。その7

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#5282

 しまなみ海道のちょうど中間地点、大三島で宿をとりました。ネットで色々調べたのですが場所と設備、値段とを考慮した結果、とあるゲストハウスさんがちょうどいい感じかなと思いました。
 ゲストハウスですが、少し離れたところに海に近い事をアピールした別館を構えており、和室を中心となっていました。家族4人でちょうどいいかなと12畳のお部屋を予約しました。

 ・・・結果から言うと、どうかな~という感じでした。古アパートを改装した宿で、お部屋は綺麗でした。自炊宿なのかな?簡単なキッチンがありましたが物が乱雑で使いにくく、不潔感がありました。使った食器は「元通りに。」と注意書きがありましたが、洗うにも洗剤も布巾も用意されておらず、いったいどうしろと言うのかと思いました。広めの浴槽がありどう見ても普通に使えそうでしたが、アナウンスでは「シャワーしかありません。」と言われていましたので使っていいのかもわからないし・・・。朝に出会った男性スタッフは無愛想で、挨拶よりもチェックアウトの時間だけを伝えてくるんですよね。低価格だからこんなもんでしょ?ということなのかな?それが見えてしまうとだめですよね。(僕は綺麗な部屋やお風呂、豪華な設備を求めているのではないのです。使っていい食器があって、使ったなら綺麗に洗って戻したいし、普通に使ってよい浴槽があるのなら使いたい。宿のスタッフなんだから顔を合わせたなら愛想よく挨拶しましょうよ、ってそれだけなんだけど。)
 
 ネットでは決まりきった宿やゲストハウスしか引っかからなかったのですが、実際には近隣に民宿も結構あったので、現地の観光協会に問い合わせるのも良いかもしれません。ちなみに近隣の食事処やスーパー、温泉施設は早くに店じまいされるので、注意が必要です。



OLYMPUS OM-D EM-1/LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH

家族でしまなみ海道をサイクリングしてきました。その6

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#5270
しまなみジェラート「ドルチェ」

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瀬戸田、しおまち商店街

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廃バスをデコレーションした、なんかのオブジェらしい

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しおまち商店街以西の海岸線はフォトジェニック

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海岸線を快走

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多々羅大橋

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愛媛県へ突入

 因島から生口島へ渡る。生口島大橋から西側へ少し走ると、ジェラート専門店ドルチェさん。瀬戸内海ではかんきつ類の生産が盛んで、それらを利用したドルチェさんの清涼感たっぷりのジェラートは絶品。また、ロングライドで汗だくになった僕らの体を心地よく冷やしてくれる、絶好の休憩ポイントだ。ここで嫁さんと再び選手交代。僕が自転車のハンドルを握る。

 ドルチェさんから、さらに南西へ進むとレトロな雰囲気を醸し出すしおまち商店街。ここも色んな店があってサイクリスト御用達の休憩ポイント。
 また生口島の海岸線はとても絵になる景色が多く、少し走っては僕はカメラを、長男はスマホを取り出し記念撮影。寄り道ばかりを繰り返しているうちに日が暮れ始め、焦り始める。



OLYMPUS OM-D EM-1/LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH
RICOH GXR×Ai Nikkor35mmF1.4S




家族でしまなみ海道をサイクリングしてきました。その5

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 2つめの島、因島。因島大橋を渡ってすぐにある記念公園で嫁さん、長男と無事に合流しました。先ほどまで降っていた雨も止み、ここで嫁さんとバトンタッチ。嫁さんが自転車に、僕が車に乗り込みます。

 今回のしまなみ海道サイクリングは1泊2日と余裕を持たせた行程になっていて、車でのサポート付き。ここまでしなくても、皆でサイクリングでもよかったのですが、敢えてそうしなかったのには理由があります。それはやはり子供達の体調を気にかけての事でした。

 6年前の夏、僕と長男のみでしまなみ海道サイクリングをした時は、向島で車をデポ。2人で自転車をレンタルし、今治を目指しました。当時小学1年生だった長男でしたが、思いのほか体力があって順調なペースで進んでいました。ひとつ、またひとつと島を渡っていくうちに「これは1日で今治まで行けそうだな。」と僕は思っていました。
 ところが、事件は4つ目の伯方島で起こります。大三島大橋を渡って、ゆるい坂道を駆け下った時、「気持ちいいな~。」と後ろに続く長男に声をかけたところ、返事がないので振り返ってみると・・・。

 長男は目の焦点が合わず、ボーっとした表情でハンドルを握っていました。意識は明らかに半分とんでいました。坂道でスピードも出ていた為、このままでは車道に飛び出すか大転倒は免れません。最悪の事態が浮かんできて僕の頭の中はパニック状態でした。
 僕は半狂乱になって、何度も何度も大声で長男に呼びかけました。 何度呼びかけたか覚えていませんが、突然しらふに戻った長男はびっくりして急ブレーキをかけ、結果スリップでの軽い転倒で済みました。

 症状的には明らかに熱中症でした。適度に休憩はいれていましたし、気を付けて水分はたくさん取らせていましたが、それでも夏の暑さにはかないませんでした。近年の夏の暑さは暴力的でもはや命の危険すらあると言っても過言ではありません。それと小さな子供はやはり自分の体力の限界がわからない為、親がしっかりと見守って気付いてやらなければならないのだと痛感しました。

 たまたま目についた民宿の看板に電話して、飛び込みで一晩お世話になりました。親切な民宿の人たちは直ぐに冷房の効いた部屋に布団をひいてくれました。宿に着いてからも何度か嘔吐を繰り返し、しんどそうに眠っている長男を見るのがとてもつらかったです。

「これは1日で今治まで行けそうだな。」なんて思っていた自分の愚かさを激しく責めました。

 その失敗を反省しての、今回。家族に何かあってもすぐに駆けつけることが出来るし、対応もできます。もう心配はありません。「僕らは必ずしまなみ海道を制覇する。」そう確信していました。

 それにしても、あの時よりずいぶん大きく逞しくなった長男。大人用のロードバイクを駆って常に先頭に立ち、僕がいなくても地図を読んで嫁さんと次男をけん引していきます。

 「きっと今の長男ならこんな心配しなくても1日のうちに走りきってしまうのだろうな。」、車窓から彼を見ながら、僕はそう思いました。

#5269
6年前の長男。大三島にて。
次男と同じヘルメットを被っています。熱中症にやられながらも、翌日には体調を取戻し、見事今治まで完走しました。


OLYMPUS OM-D EM-1/LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH
RICOH GXR×Ai Nikkor35mmF1.4S
Leica M6×Voigtländer NOKTON classic35mmF1.4   Kodak ProFotoXL100