旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

瀬戸内の海道を巡ってきました。その1

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#3370

8月末日から9月初頭に取得した遅い夏季休暇を利用して、瀬戸内海を旅してきました。
今回の旅の目的は、瀬戸内7海道のうち、5海道を制覇する事でした。

7海道について少し説明しますと・・・

1.しまなみ海道(尾道-今治)
2.とびしま海道(仁方-岡村島)
3.さざなみ海道(尾道-呉)
4.かきしま海道(呉-切串)
5.ゆめしま海道(弓削島-岩城島)
6.はまかぜ海道(今治-道後)
7.せとかぜ海道(伊予灘-佐田岬)

という感じになります。

「どうせなら7海道制覇すればいいじゃないか。」と言われそうですが、とびしま海道は去年、長男と共にサイクリングしましたし、時間の関係もあって今回はパス。ゆめしま海道は長男とまたサイクリングする予定ですので、楽しみに残しておくことにしました。

近年、広島県・愛媛県がサイクリング環境の整備に力を注がれている事もあって道路環境は勿論の事、休憩所や展望台などがいくつも新設されており、昔に比べると随分と観光しやすくなっていますのでドライブやツーリングにもうってつけ。

北海道、岩手に強い爪痕を残した忌まわしい台風10号により、出発日を一日延期した今回の旅。
出端こそくじかれた感じでしたが、キャンプ道具を積んでの自由気ままな旅ができて大満足でした。



OLYMPUS OM-D EM-1/ズイコーデジタル12-40ミリ
江田島 2016.8

瀬戸内の海道を巡ってきました。その2

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瀬戸内海安芸灘の広島湾に浮かぶ3つの島が江田島、能美島、倉橋島。
この3つの島に跨って展開されるのが「かきしま海道」。

今回の旅の始まりはそのかきしま海道からスタート。

#3371
自宅のある関西から呉市まで延々と退屈な高速走行を強いて、少々退屈気味だった僕の目に飛び込んできたのがこの音戸大橋。
青空に浮かぶ真っ赤な鉄橋に旅のテンションは一気に上がる。

#3372
その袂にある音戸渡船。

#3373
音戸地区と警固屋地区の間の海、「音戸の瀬戸」約120mを結ぶ定期航路。

#3374
この風情ある渡船は観光名所となっている他、地元民の通勤通学の足としてかかせないものなのだとか。

#3375
この日は風が強く潮も高いので、桟橋に停留している船が上下に激しく揺れていた。
よくみると、運転席には船乗りさんが待機している。
船酔いしそうな程に揺れ続けているけど、大丈夫なのかなぁと余計な心配をしたり。

#3376
倉橋島を瀬戸内海に沿って南下。
途中、何度も見かけた帆立の貝殻。夏に孵化した牡蠣の幼虫を付着させる目的で、帆立の貝殻を海に沈める。
「なるほど、これがかきしま海道と名付けられた所以か。」と思いながら、淡々と走る。
こんな景色をこの後、何度も見かける事になった。

#3377
瀬戸内海の港町では、たくさんの造船所を見かけた。

#3378
倉橋島の南、鹿島につながる鹿島大橋。
かきしま海道には含まれていないが、どうしても最南端まで行ってみたくて、オートバイの機動性にものをいわせる。

#3379
鹿島の終点には鄙びた港町と段々畑があるだけ。
真っ黒に日焼けした屈強な漁師達が防波堤に腰掛け、何やら楽しそうに話している姿が印象的だった。



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瀬戸内の海道を巡ってきました。その3

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#3380

台風10号が行った後も、海から吹く風は強く、草木がなびく。
道路上には落ち葉が散乱。
横風が強く吹くと僕のオートバイも流されそうになる度、身体を伏せてやり過ごす。

#3381

倉橋島の沿岸部。

#3382

波も非常に高い。
誰もいない海辺はもう秋模様。

#3383

倉橋島から能美島へ。能美島西側は道が細く、墓地が多かった。
雲の動きが早く、時折厚い雲が太陽を覆う。その雲の切れ間から光が瀬戸内海に落ちた。
とてもドラマチックな景色だった。

#3384

やっぱりあちこちで見かけるホタテの貝殻。
かきしま海道を訪れるなら、牡蠣が美味しい冬がいいのかもしれない。

#3385

日が暮れる前に真道山森林公園キャンプ場に到着。
テントを張ると、夕食の買い出し。
そのわずか10分程度の間に、待ったなしでスコールのような夕立にずぶ濡れ。

雨雲が流れて、空が澄み渡る。
港町の桟橋から見える夕焼けが綺麗だった。

#3387

夏のキャンプに、こいつは必須のアイテム。
テントの中が煙たくなるけれど、匂いは好き。

#3386

キャンプの夕食。
おかずは惣菜もので済ますことが多いけど、ご飯だけは絶対に焚くようにしている。

#3388

真道山森林公園キャンプ場は、整備がとても行き届いていて綺麗だった。
各区画には電灯もついていてランタン要らず。
炊事場もトイレも綺麗でおすすめのキャンプ場。

夜になって、雨が降ったり止んだり。
風が強くて、ペグを一か所うち忘れた部分のフライシートがバタバタ揺れてうるさかった。




OLYMPUS OM-D EM-1/ズイコーデジタル12-40ミリ

瀬戸内の海道を巡ってきました。その4

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#3389

キャンプ場の朝。
昨晩は風の音が気になって寝不足。
風のおかげで雨でぬれていたフライシートはすっかり乾いていたが。

#3390

朝から空は澄みきっていて、季節外れのセミが鳴く。今日も残暑は厳しい予感。
出発してすぐに立ちごけ、オートバイは無傷だったが少し凹む。

#3391

気を取り直して砲台山。
砲台山へは小さな集落を抜けて、つづら折れの山道を登っていく。
自然豊かな山道で、イノシシを見かけた。

#3392

砲台山は、正しくは三高山という名称で、三高山山頂に作られた砲台という事になる。
日露戦争時に、広島湾一帯に作られた砲台のひとつとして数えられるこの三高山砲台には、砲台跡の他兵舎跡や観測所跡、炊事棟などが残されている。
役目を終えたレンガ造りの遺跡は、緑に覆われ、静かに自然に帰っていく。

#3393

砲台山からの眺めは良く、広島湾に広がる牡蠣筏を俯瞰。
眼前に見えるは似島かなと思う。



砲台山を後にして江田島を時計回りに一周し、かきしま海道の玄関口、音戸へと戻る。

かきしま海道からさざなみ海道へ。
さざなみ海道は国道185号線で呉-尾道を結ぶ全長82kmの海岸線。



その道程には絶景スポットの筆影山や、「地図から消えた島」大久野島、「安芸の小京都」として有名な竹原などが存在する。
そうそう、三原も通過するので、三原名産のたこを使った、たこ焼きやタコ天丼を食べに寄り道するのもいいかもしれない。

#3394

さざなみ海道でも牡蠣の養殖に使われる帆立の貝殻を見かけた。
その向こうに見えるのは大芝大橋。

#3395

国道185号線は単調で退屈。寝不足に暑さも加わって体がだるい。
休憩がてら竹原に立ち寄る。

#3396

#3397

#3398

#3399

この旅の間、レンズにはPLフィルターを付けていたが、殆ど必要ないくらいに空は青かった。


OLYMPUS OM-D EM-1/ズイコーデジタル12-40ミリ・40-150ミリ

瀬戸内の海道を巡ってきました。その5

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#3400

しまなみ海道の起点は尾道。
尾道の街並みを見るとカメラを持って歩いてみたい衝動に駆られるが、今回は我慢。
尾道ラーメン、「つたふじ」も「朱華園」も時間の関係で、今回は我慢。
かわりに千光寺に訪れる。
ここから見る尾道水道が好き。

そしてここにはちょっとした思い出があって、その事を思い出すと感傷的になってしまう。



いよいよしまなみ海道へ。



しまなみ海道は他の海道に比べてあまりにもメジャーなので、今更説明の必要はないだろう。
尾道から今治までの約76kmの道程の間に、向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島と6つの島が存在していて、瀬戸内海の青い海を見ながら走るのもよし、白滝山や因島水軍城、大山祇神社など、あちらこちに寄り道しながら走るのも良し、ドルチェや伯方の塩ラーメン、海鮮丼などグルメに舌鼓するも良しのとても楽しいルートだ。

#3401

ひとつ目の島は尾道からも見えていた向島、そして向島から興味本位で渡った岩子島。

#3402

周囲8kmの小さな岩子島で見つけた、僕にとって今年初めての向日葵畑。

#3403

因島。土庄で見た商店街。
風情ある寂れっぷりが良かった。(失礼か。)

#3404

生口島西部をシーサイドラン。
開放的で気分良く走ることが出来る道。

#3405

ピーヤンと書かれた謎のバス。(オブジェの一つか?)

#3406

生口島と大三島の間にかかる世界最大級の斜張橋、多々羅大橋。
この多々羅大橋もそうだけど、瀬戸大橋やこの後に通る来島海峡大橋のスケールには、ただたた「すげぇな。」という感想しか出ない。

#3407

多々羅大橋を渡って大三島、伯方島、そして大島。
その大島にある亀老山展望公園。
瀬戸内海の多島美をその目で実感できる場所。

色々な観光名所や、アートなオブジェ、地元グルメもたくさんあって、一日では味わいつくせないしまなみ海道だけど、やっぱりしまなみ海道を訪れる価値は、ここを訪れる事にあると言い切ってしまっても大げさではないと思う。

#3408

こんな景色を見たら、そら彼女も大喜びで飛ぶわな。
ってか、最近の若い子は絶景の前でジャンプしながら写真撮るの、好きね。




OLYMPUS OM-D EM-1/ズイコーデジタル12-40ミリ