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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

常滑に行ってきました。その4

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#4699

#4712
以上2枚、土管坂

#4711

 6月のとある休日。郷里の友人と都合を合わせ、愛知県の知多半島にある常滑に行ってきました。常滑は焼き物の街として有名で、日本最大級の登り窯や、焼酎瓶や土管などの廃材を利用してできた「土管坂」、廻船問屋「瀧田家」など見所満載の観光地です。
 友人が持参したガイドブックに沿って歩けば、住宅のあちらこちらに陶器を利用した面白い仕組みがあったり、細く伸びたレンガ造りの煙突が遠くに見えたりします。小高い丘の上にあるこの焼き物散策路は細く入り組んでおり、まるで迷路のようで、僕も友人も宝探しをするような感覚で楽しみながら歩きました。

 やきもの散策路はAコースとBコースがあって、それぞれ距離が変わりますが、距離の長いBコースでも4kmほどの道程。日ごろ運動もせず、たるみきった体のおっさん2人組でも楽しんで歩けるくらいの距離です。特にカメラを持っての散策にはうってつけの街だと僕自身は思いました。


常滑に行ってきました。(了)

*常滑のHPはこちら


OLYMPUS OM-D EM-1/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mmF2.8 PRO
2018.6

2008年、夏。雨の白馬にて。

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#4713

 西日本集中豪雨に見るように、ここ数年の雨の降り方は尋常ではない。この記事を書いている最中も台風12号の影響で窓の外では景色がかすむくらいの雨が降り続いている。(僕の記事は殆ど予約投稿で、この記事は7/29の午前中に書いたものです。)おかげで予定していたツーリングはとりやめになってしまった。

 そうそう、雨のツーリングと言えば、僕自身の過去に思い出深いツーリングがある。

 これは2008年のちょうど今時分、オートバイのリアシートにテントを積んで信州を旅していた時の写真。この年は平年並みに梅雨明けをしたもののぐずついた天気の日が多く、何よりも突然、尋常ではない量の雨が降り、実際に災害事故も起きている。これをニュースでは「ゲリラ豪雨」という名称で取り上げ、連日その被害を報道していた。(ちなみに「ゲリラ豪雨」はこの年の流行語大賞に選ばれた。)

 夕暮れ時、白馬のキャンプ場を目指して走っている途中、もうすぐそこだというところで、このゲリラ豪雨に遭遇。凄まじい雨量で道路は瞬く間に冠水。そして僕は合羽を着る暇もなくずぶ濡れになってしまった。シールドを乱暴に叩く雨に視界を奪われ、身の危険を感じた僕は、咄嗟に道路脇にあった公衆電話のボックスに逃げ込んだ。ドアを締め切ると中は蒸し暑いし、開けると凄まじい雨飛沫が襲ってくるしで成す術もなく、ひたすら雨が止むのを待っていた。
 幸い、雨は30分ほどで雨は止んだので、近くのキャンプ場へ移動。するとビックリ、そのキャンプ場は閉鎖されて無くなっていた。しばらく呆然としていたものの辺りは日が落ち始め、他に行くあてがない僕は我に返って焦っていた。全身ずぶ濡れで体も冷え切っていた僕は完全に戦意喪失。とにかく荷物を下ろして、温かい風呂に入りたい、もう走りたくない言う気持ちで一杯だった。さっきの公衆電話に戻って、備え付けのタウンページで周囲の民宿を調べ、記載されている順番に電話を入れた。

 どれくらい電話を掛けただろう、たぶん30件以上はかけたと思う。結果は全滅。時間も時間だったのもあるけれど、一人、素泊まりという条件ではもうからないと踏んだのだろうか、用件は聞いてくれるものの皆一様に「今日は家の者がでてて(もしくはわかる者がおらんもんで)、無理ですわ~。」という示し合わせたかのような返事を戴いて、どこもお断りされた。

 長時間の走行と夏の暑さ、ゲリラ豪雨で体力を奪われた僕は、もはやオートバイに跨る気力もなくその場にへたり込んでいた。



Nikon NewFM2/Ai AF ZoomNikkor35-70mmF2.8(D)   DNP CENTURIA400

2008年、夏。雨の白馬にて。その2

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#4714

 予定していたキャンプ場は閉鎖されていて、素泊まりの予約も取れない。ずぶ濡れの体で、もはや走る気力も完全になくなっていた僕は途方に暮れ、公衆電話のまえでしばらくへたり込んでいた。
 どれくらいぼんやりしていたのかは覚えていないけれど、突然、「プシュー」という大きな音が聞こえて我に返った。気が付くと目の前にはバスが止まっていて、乗客が乗り降りしていた。そう、ここはバスの停車場だったのだ。そして乗客が出てきた待合室の存在に気づく。とにかくゆっくりと座りたかった僕はフラフラと待合室の方へと歩いて行った。雪国の待合室には雪風を凌ぐために立派な屋根のついた待合室も多い。幸い、四角い形の簡素なコンクリート造りではあったが、その中は4畳くらいの広さがあって、備え付けのベンチもある。作られて間もないのか壁や窓も綺麗、その上引き戸がついていた。そう、人が一人眠るには丁度良いスペースなのだ。

 「ここで一晩過ごせるんじゃないか・・・?」そう思いついたけれど、その頃の僕は、そういった事をしたことがなく、羞恥心から「バス停で眠る。」という行為にはかなりの抵抗があった。中々踏ん切りが付かずに、他にあれこれ思案したもののほかに打開策があるわけでもなく、時間は過ぎていって結局、そのバス停で一晩を明かすことになった。
 最終便が行くのを見届けてから、最小限の荷物をバス停に運び込み、床にマットをひいて寝た。用心の為、引き戸を閉め内側からカギをかけた。それでも夜中に聞こえる車の走行音や、目の前に設置された自販機でジュースを買う音で度々目が覚め、その度に「通報されるんじゃないか。」とドキドキしていた記憶がある。
 そこが白馬と言う土地柄だったせいか、昼間はあれほど暑かったのに夜は凍えるほどに寒かった。マットをひいていても無機質なコンクリートの床の冷たさが背中に嫌というほど伝わってきた。体は芯から疲れていたのに、ほとんど眠れないまま一夜を過ごした。そして始発のバスが来る心配をする必要がない程、早い時間にそのバス停を後にした。

 そんな大変だった経験程、濃く記憶に残っていて、今でも詳細に記述できる。その後も何度か同じ目に合っているのだけど、人間って本当によくできていて、こんな状況ですら慣れてしまえるのだ。
 あまり褒められたことではないのだけど、2.3年前には台風でテントが張れずに、またもバス停で一夜を明かした事がある。その時は既に民宿に避難と言う考えはなかった。真暗な雨雲が覆う日本海、その海辺の小さな、本当に小さな箱型の、窓枠があるのに窓がない、砂埃が床を覆うバス停。強い風に乗ってうなりと共に窓から激しく吹き込んでくる雨飛沫の中、濡れた床の上で合羽を着て、マットをひいて眠った。そんなより悲惨な状況でも、白馬のバス停で一夜を明かした時よりドキドキしなかったし、よく眠れた。

 旅に慣れてくると、色んな手段を講じるようになり、万策尽きれば開き直る。いい意味で図太くなる。ゲリラ豪雨、台風ですらやり過ごせるほどに。

 ただし、オートバイでのツーリングに目覚めた頃にあった毎度の、旅への思い入れ、ドキドキ感が薄れていくのは否めない事実だ。

 とても悲しいのだけれど。



OLYMPUS OM-D EM-1/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mmF2.8 PRO
2016.5 戸隠

渡月橋

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#4715

  家族4人、南向きの和室に布団を敷き、川の字になって寝ていたのだけど、ここ最近は僕だけ、別室で寝ている。大きな理由は長男が大きくなって4人眠るには狭くなってしまったのと、こいつの寝相がすこぶる悪く、夜中に何度も顔やお腹に踵落としを食らう事。これが本当に痛いのだ。(一度本当に鼻血を出したことがある。)
 北向きの洋室で元々使っていたベッドで眠っているのだけど、夜になると山側に面した北側の窓から涼やかな風が入ってきてかなり涼しい事に気づく。

 今のところ、このことは僕だけの秘密だ。(笑)



Leica M6/Voigtländer NOKTON classic35mmF1.4   Kodak SG400

渡月橋その2

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#4716



Leica M6/Voigtländer NOKTON classic35mmF1.4   Kodak SG400

路地裏の夕暮れ

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#4717

 新しい扇風機を買った。DCモーターのを見に行ったのだけど手ごろな値段の物は無くて、普通のACモーターの物を買った。8枚羽の「うちわ風」と名づけられた超微風は、就寝時に冷えすぎないと嫁さんに好評を得ている。

 ・・・育ちが悪い僕は、昔からの3枚羽のあの粗雑な感じの強い風をガンガン回して扇風機の前に居座るのが大好きなのだけど。



Leica M6/Voigtländer NOKTON classic35mmF1.4   Kodak SG400

同僚と伊勢に行ってきました。その1

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#4718

#4726

#4719

#4720

 この歳になってくると、周りも僕自身も忙しくてなかなか予定が合わないので、一緒にツーリングしようなんていう贅沢はなかなか叶わない。かといって、趣味を同じとする知らない人たちのコミュニティに参加しようという気力も湧いてこない、っていうかもはや億劫。

 仕事以外では殆ど人付き合いのない日常を送る僕には、忘れてた頃に連絡をくれる、2つ下の同僚がいる。この日も彼の急なお誘いに乗って伊勢に行ってきた。



SONY DSC-RX100M4

同僚と伊勢に行ってきました。その2

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#4721

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#4725

 仲間内でツーリングに出かける時は、一番ツーリング経験が多い僕がルート作成から宿泊先の予約、その土地のB級グルメを食べさせてくれる店を調べる事が多い。勿論列の先頭を走ってみんなを誘導する機会も多い。

 マスツーリングでも5人を超えてくると、大名行列のようで壮観な感じになる。その先頭を走るはなかなか気分がいい。その反面、バックミラーで仲間がついてきているか確認しながら、走るペースが速すぎないか?遅すぎたりしないか?疲れていないか?休憩をいれたほうがいいか?と結構神経を使う。

 彼は僕の2つ下の後輩なんだけど、男にしておくには勿体無いくらい気が付く男で、2人の時は自ら先頭を走って僕を誘導してくれる。地図とにらめっこしながら走るわずらわしさから解放されて前にいる彼だけを追って走ればいいので、申し訳ないくらいに楽なのである。また、ご飯に興味のない、お金をかけたくない僕と考えが似ていて、昼飯はいつもファストフードかコンビニ、もしくは安いB級グルメ。こういった感覚が似ていることもストレスにならなくて楽だ。

 彼とはこんな感じでもう10年くらいお付き合いしている。これからも続けばいいなぁと思っている。

 この日は彼の誘導でおかげ横丁の赤福氷を食べた。まだ6月の初旬だったけど、蒸し暑い日だったので、器を持った時に掌に伝わるかき氷の冷たさがとてもうれしかった。ココを選んだ感覚も気遣いのできる彼ならではの選択なんだと思う。
 スプーンで氷をさくさくやると、中にはたっぷり詰まった餡子の感触が伝わってくる。「なるほど、こら赤福氷だ。」なんて、妙に納得しながら、今年初めてのかき氷を口いっぱいにほおぼった。途端にあの子供の頃に何度も経験した、耳のやや後方付近に、きーんとした鋭い痛みが走った。


同僚と伊勢に行ってきました。(了)


SONY DSC-RX100M4

いつかの夕焼け

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#4727

色んな事が上手くいかなくて、むしゃくしゃする日も、夕焼けが綺麗だと「ま、いいか。」と思えてしまう。

かつての友人に「あなたは面倒くさい人だけど、ややこしい人では無いよね。」と言われたことがある。
その言葉を聞いた時、僕は自分の事が、恐ろしいくらいに腑に落ちた。



RICOH GXR/RICOH LENS P10(28-300mmF3.5-5.6VC)

土佐久礼の大正市場にて

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#4728

#4729

#4730

 子供たちを川で遊ばせる為、ただそれだけの為に高知県の四万十川に行ってきた。
 その四万十川に向かう、土佐久礼の大正市場に立ち寄り、前から魚好きの嫁さんにどうしても食べさせたかった田中鮮魚店の鰹のたたきを食べた。

 僕はずっと鰹のたたきってまずい食べ物だと思っていたのだけどその概念を覆したのが、ここの鰹のたたき。身が肉厚で脂がのっていて、それでいて味はあっさり。醤油でもいいのだけど、ニンニクチップと塩で食べても美味しい。案の定、嫁さんは大喜びで一人前をあっという間に平らげた。予想外だったのは、魚嫌いの長男、次男の食べっぷり。彼らもココの鰹のたたきが気にいったみたいで、あっという間に僕の分まで食べてしまい、慌てて追加注文してしまった。

 鰹のたたきを食べながら、お店の従業員と話していると、真っ黒に日焼けした漁師のおじさんが「これ買ってくれ!」とバケツに沢山のタコを入れてやってきた。コレには長男も次男もびっくり。2人でおじさんと話しながら、たこをおそるおそる指で突いていると、漁師のおじさんは腕を曲げて力こぶを作りながら「わしらはこれで、飯食ってるからな!お兄ちゃんらも漁師になるか?腕さえよかったら勉強せんでも食っていけるで!」と笑った。魚が嫌いな子供たちは苦笑いしていたけれど、自然を相手に、自分の腕だけで生計を立てている漁師ってかっこいいよなと、僕は思った。

 これは余談なんだけど、おじさんが今、ドラマにCMによく出ている大友亮平さんの実家がこのすぐ近くなんだと教えてくれた。「キザな人、気持ち悪い!」と普段から毛嫌いしている癖に建前で「そうなんですか~!見てみたい。」と嬉しそうに話す嫁さん。「役柄で色男役ばかりしてるけど、ホンマはのんびりして気取ったところのないええ男なんやで。」とおじさんが言ったので、僕が「ほやってさ!ホンマは気持ち悪くないらしいで!」と鋭く突っ込んでやると、嫁さんは顔を真っ赤にして怒っていた。(苦笑)