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薄日

#5602




Nikon F2 PhotomicA×Ai Nikkor50mmF1.2S   Kodak Tri-X
京都 2009.10

雨の東尋坊

#5609

 時間を持て余していた雨の休日。天気予報では北陸地方で雪マークを付けていたので、何となく雪景色を見ようかと思った僕は、自宅の京都から北へ北へと車を走らせた。ところがどこまで行っても一向に雪は降らず、雨が降ったりやんだりするばかりで、気が滅入るような天気だった。いいや、そればかりではない。越前海岸を北上する際にずっと付きまとう鉛色の空模様と、地方にありがちな廃ホテル、廃屋の群れ、人気のない閑散とした集落が一層気分を沈ませる。その内、東尋坊に着いてしまったので何となく立ち寄ることにする。

 福井随一の景勝地は、あいにくの天気のせいなのか、コロナウイルスのせいなかのか観光客はまばら。相変わらず鉛色の空、その下に雄島。雄島を時計と反対方向で回ると祟りがあるという謂れを思いだし、「だれかやったんじゃねぇの?」なんてどうでもいいことを考える。

 そのあとは加賀市まで行って、コンビニで休憩。車中泊用に後部座席には今日明日の行動食を用意していたのでコンビニに入る必要はなかった。シートを倒して車内でうだうだ過ごす。

 とにかく行き先がない。時刻は18時を回って、真っ暗な車内。ナビやスマホで周辺検索をする。めぼしい店や場所がひっかっかるがどれも食指が動かない。そのうち検索するという行為にも疲れてくる。スマホのバックライトが自分の顔を照らしその顔を映したルームミラーで見る。なんと疲れた表情か。

 「もう帰ろう。」と思った。 

 エンジンを始動させる。ハンドルに体を覆いかぶせるように身を乗り出しながら、目の前の道路をヘッドライトをつけて行きかう車の途切れるタイミングをうかがう。が、交通量が多く中々入り込めない。そのうち左前方の信号が赤に変わって目の前にテールランプの列ができる。コンビニの出入り口にスペースを開ける車もなく、僕の車がそこに入り込む余地はない。このまま無理やりアクセルを踏み込んで強引に入ってやろうかと思ったりする。
 
 目的のない、あてのない旅は今の僕にはもう楽しめなくなっている現実を思い知らされた旅であった。



OLYMPUS OM-D EM-1/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mmF2.8 PRO

ふるさと食堂

#5611


 2年ごとの車検前に必ずメーターが壊れる。これで3回目。修理代が結構高い。
 オリジナルにこだわるタイプではないので、汎用品でいいものはないか物色中。



OLYMPUS OM-D EM-1/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mmF2.8 PRO
久万高原町・愛媛

冬の旅路

#5612


 ずっと気に入って使ってきたテンプレートが何だかうまく表示されなくなったので、新しいものに変えた。
 ちょっと違和感。


RICOH GXR/Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II

雪の花見小路

#5613



 職場までカブで通勤しているので、当然雪が降ると困る。
 だけど2月だというのに、半袖になって歩いてるやつを見かけるほどの暖かさもどうかと思う。



OLYMPUS PEN-FT×F.ZUIKO AUTO-S38mmF1.8   Kodak GA
2014.2

黒電話

#5614


 自分でも驚くくらいに、僕は人を見る目がない。
 また騙されたかなぁ・・・。


OLYMPUS PEN-FT×F.ZUIKO AUTO-S38mmF1.8   Kodak GA
大宇陀・奈良 2011.5

街の酒屋

#5615




OLYMPUS PEN-FT×F.ZUIKO×F.ZUIKO38mmF1.8   Kodak GA
大宇陀・奈良 2011.5

湖南アルプス。

#5617


 2月に入って初めての登山。登り始めて30分でうっすら汗をかく。ずっと仕事で体がなまっていたから動きが鈍い気がする。

 花崗岩で形成された岩肌に取りつき、手や足をかけられそうなくぼみを探りながら登る。高所恐怖症の僕は岩場やはしご、鎖場が大の苦手だ。おまけに途中で小雨が降り、岩肌が滑る。落ちたらただでは済まない高さではあったので、ひやひやものの登山となった。やっとの思いでたどり着いた山頂は風が強く冷たくて、5分といられず早々の下山となった。

 険しかった岩稜地帯を抜け、綺麗な湿地帯の中を歩く頃には、雲の切れ間から青空が見え太陽が顔を出す。昔映画で見たアイスランドの景色とちょっと似ていて雰囲気が良かった。ため池の前にザックを下ろしインスタントラーメンを作って食べた。水面は時が止まったかのように動かず淀まず、鏡のように青空を映している。周囲は静かで時々風で草花が揺れるささやかな音がする程度。

 気分がいい。

 アルストは火力が弱いのでなかなかお湯が沸騰しなかったが、お預けを食らった分、ラーメンが美味しく感じる。無心でラーメンをすすっていると鼻がぐずりだす。何だか鼻腔がかゆい。

  どうやら寒さのせいだけではないようだ。



SONY DSC-RX100M4
2020.2

ウソのようなホントのきれいごと。

#5616


 ちょっと偉そうな女の同僚の運転でお客さんのところまで車で向かう途中、昔付き合ってた彼女のマンション前を通った。

 ここでは書けないけれど、色々あって、彼女とはとても悲しい別れ方をした。心が張り裂けそうという感じはどういうものか、その言葉の意味を身をもって知った。僕の未来に彼女はいないなんてありえない。でもいない。受け入れられない現実が重くのしかかり、何も考えられず、何も手につかなかくて、気が付けば何時間もそこで止まったままだったり、何かの拍子に急に涙が出てきたりした。この思考を永遠に止めてしまいたいと思っていた。死のうとは思わなかったけれど、例えば理不尽な理由でもいい、車やオートバイの運転中に誰かが突っ込んでくるのでもいいし、通り魔が襲い掛かってくるのでもいい。とにかく誰かが何かが僕を死なせてくれないかなとは思った。彼女ともう一度会ったらどうなるのかわからない自分が怖くて、彼女を避け、同じようにそのマンションはおろかその周辺に近づく事さえも避けてきた。

 そんな風にずっと避けてきたマンション前を、不可抗力であっさりと通ってしまった。反射的にマンションを食い入るように観察してしまう自分がいた。
 あの頃新築だった2階建ての白いマンションは、変わらずまだまだきれいだった。どの部屋にもカーテンがかかっていて満室のようだ。2階にあった彼女の部屋には僕が知っているのとは違う色のカーテンがかけられていて、部屋に電気はついていない。マンション横の駐車場で、いつも決まった位置に彼女が停めていた三菱の軽自動車は、トヨタのワンボックスに変わっていた。

 マンションを訪れたら、またあの時の自分に戻ってしまうのだろうかと思っていたけれど、意外に落ち着いている自分がいた。「引越ししたのかな?それとも誰かと暮らしているのかな。」そう思うと一瞬心がざわついた。でもその後、よく笑う人だった彼女の顔が浮かんできて「楽しくやってるといいな。」と思った。不思議だったけど本当にそう思った。答えはわかっていたのに傷つくことが怖くて何もできなかった僕を、本当に想って前に進めてくれた人。おかげで今の僕がある。時間はかかったけれど、別れた後にそう思わせてくれた彼女は、やはり本当に素晴らしい人だった。

 「ちょっと、この道ちゃんと覚えといてね。次は一人で来てもらうんだから。」とハンドルを握る、少しヒステリックな女の同僚の声に「マジっすか、覚えられるかな~。」と苦笑いしながら「ここら辺なら目をつぶっても迷うことないわ。」と心の中で言い返していた。



Nikon F2 PhotomicA×Ai Nikkor35mmF1.4S   Kodak Tri-X