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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

2008年、夏。雨の白馬にて。

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

#4713

 西日本集中豪雨に見るように、ここ数年の雨の降り方は尋常ではない。この記事を書いている最中も台風12号の影響で窓の外では景色がかすむくらいの雨が降り続いている。(僕の記事は殆ど予約投稿で、この記事は7/29の午前中に書いたものです。)おかげで予定していたツーリングはとりやめになってしまった。

 そうそう、雨のツーリングと言えば、僕自身の過去に思い出深いツーリングがある。

 これは2008年のちょうど今時分、オートバイのリアシートにテントを積んで信州を旅していた時の写真。この年は平年並みに梅雨明けをしたもののぐずついた天気の日が多く、何よりも突然、尋常ではない量の雨が降り、実際に災害事故も起きている。これをニュースでは「ゲリラ豪雨」という名称で取り上げ、連日その被害を報道していた。(ちなみに「ゲリラ豪雨」はこの年の流行語大賞に選ばれた。)

 夕暮れ時、白馬のキャンプ場を目指して走っている途中、もうすぐそこだというところで、このゲリラ豪雨に遭遇。凄まじい雨量で道路は瞬く間に冠水。そして僕は合羽を着る暇もなくずぶ濡れになってしまった。シールドを乱暴に叩く雨に視界を奪われ、身の危険を感じた僕は、咄嗟に道路脇にあった公衆電話のボックスに逃げ込んだ。ドアを締め切ると中は蒸し暑いし、開けると凄まじい雨飛沫が襲ってくるしで成す術もなく、ひたすら雨が止むのを待っていた。
 幸い、雨は30分ほどで雨は止んだので、近くのキャンプ場へ移動。するとビックリ、そのキャンプ場は閉鎖されて無くなっていた。しばらく呆然としていたものの辺りは日が落ち始め、他に行くあてがない僕は我に返って焦っていた。全身ずぶ濡れで体も冷え切っていた僕は完全に戦意喪失。とにかく荷物を下ろして、温かい風呂に入りたい、もう走りたくない言う気持ちで一杯だった。さっきの公衆電話に戻って、備え付けのタウンページで周囲の民宿を調べ、記載されている順番に電話を入れた。

 どれくらい電話を掛けただろう、たぶん30件以上はかけたと思う。結果は全滅。時間も時間だったのもあるけれど、一人、素泊まりという条件ではもうからないと踏んだのだろうか、用件は聞いてくれるものの皆一様に「今日は家の者がでてて(もしくはわかる者がおらんもんで)、無理ですわ~。」という示し合わせたかのような返事を戴いて、どこもお断りされた。

 長時間の走行と夏の暑さ、ゲリラ豪雨で体力を奪われた僕は、もはやオートバイに跨る気力もなくその場にへたり込んでいた。



Nikon NewFM2/Ai AF ZoomNikkor35-70mmF2.8(D)   DNP CENTURIA400

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