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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

鳥取~但馬漁火ラインを走ってきました。その12

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

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 レーサーのようにタンクに覆いかぶさる。セパレートハンドルにかける上肢には荷重をかけない、添えるだけ。シートの上、腰で円を描くようにオートバイを操作する。車体を倒し込む時は外側の膝でタンクを内側に押し込むと同時にステップには荷重をかけバランスをとる。顎はひき、首をくの字まげてコーナーの先を覗きこむ。そうすればオートバイは自然と進行方向に曲がってくれる。いわゆるセルフステア、それを感じるのが気持ち良くてとても好きだった。

 路面状況とコーナーの先しか見ていない。目の前に自動車が列をなして走っているのが見えるといつもイライラしていた。フル加速で追い越し、すり抜けなんて当たり前にやっていた。
 「車を追い越すなら、直線よりもコーナーがいい。車はコーナーの途中で加速は出来ないけれど、オートバイならアクセルを開けることが出来るから容易に追い越しが可能だ。後はトンネルだ。視界が悪いから、みなスピードダウンするしね。」まだ若かった僕にそう教えてくれたのは60を超えたベテランのオートバイ海苔だったか。

 そんなイケナイ運転を繰り返していた僕だったけど、歳を重ねるうちに前傾姿勢のイケイケオートバイと「常に速く走らせなければならない。」という勝手な強迫観念に嫌気がさしていた。その後いろいろあって行き着いた今のオートバイ。ビックリするくらい鈍重で、1000ccなのに400クラスのオートバイの加速にすらついていけない。ブレーキもフレームもプアなので、スピードを出す気になれない。車の列に並んで走らせる方が楽だし、気持ちも楽だ。列の先頭を走っていると、以前の僕のような血の気の多いドライバーやオートバイ海苔が追い越しをかけてくる事もままある。でも気にならない。

 「お先にどうぞ。」そんなおおらかな気持ちになれるオートバイ。

 そんなオートバイだけど、感心した点があってそれは旋回性能。エンジンにトルクがあって重心が下方にあるからなのか、方向転換が楽。一般道は勿論、狭い峠道でも簡単に旋回できる。その感じと言ったら昔乗っていたスズキの250のオフロードに近い感覚だ。キャンプ道具を積載し、車重が250kgを超えてもそれは変わらない。

 今回の山陰海岸沿いの道は、狭い峠道や行き止まりの道も沢山あった。特に餘部灯台周辺の集落の道はそんな感じだったけれど、このオートバイのおかげでさほど苦にならなかった。

 後は何より3000回転以下、トップギアの60km/h付近のエンジンフィーリングがサイコーに気持ちいい。癖になる心地よさだ。

 全て、僕の個人的な感想だけど。



RICOH GXR/Voigtländer NOKTON Classic35mmF1.4

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