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MTB敗退記。

#5293

 自宅からMTBを漕ぎ続け、およそ3時間かけてお目当ての山にたどり着く。
 緩やかに標高をあげていく長い長い舗装林道を必死に漕いだり押したりしながらなんとか登山道に到着。35度以上の気温もあって、この時点でもう疲労困憊。背負ったバックパックを地面におろすと、背中にかいた汗が冷たく感じて気持ち悪いことこの上なし。途中のコンビニで買ったおにぎりを頬張りながら、地形図にコンパスを当て進路を確認。多分、あまり人の訪れない山なのだろう、登山道は荒れていて踏み後も確認し難い。何とか取りついては見たものの、そのうち藪漕ぎのようになって、MTBを楯に突き進む。藪が切れると薄暗い森の中にでて、何やら地面には気持ちの悪い黒い蛾が群れを成して止まっている。僕がMTBを進めると、そいつらが一斉にその辺を飛び交う様は、気持ち悪さを通り越してもはやホラーだ。

 道をロストしないように、何度も地形図とにらめっこ。コンパスの大矢印は非情にも急勾配のせりあがった斜面を差している。MTBのフレームの中に頭を入れ、両肩で背負う感じで持ち上げる。斜面を登ろうとすると、地盤が非常にもろくブーツをかけると崩れていく。冷や汗が止まらず、長時間ライドによる疲労と15kgを超えるMTBの重さで膝はがくがく。今にも滑り落ちそうだ。

一旦、下に降りてMTBを肩からおろす。地面にへたり込んで腕時計を見ると、もう14時だ。やはり車でMTBを、ふもとまで運べばよかったと後悔。ここから順調に上っても山頂までは1時間はかかるし、そこから帰路に着くと自宅に着くのはかなり遅くなってしまうだろう。

 「せっかくここまで来たのに・・・。」と悔しい気持ちがあって、散々悩んでみたものの、体力も限界だったので無念の下山となる。登りで僕を苦しめた舗装林道を、今度は一気に駆け下る。とても涼しくて爽快だった。
 その後、帰宅途中で右膝が痛くなりついにはペダルを漕げなくなてしまった。最後の5kmほどは押して歩く羽目になり、這う這うの体で帰宅となった。

 

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