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ものぐさキャンプ

#2685
ついつい本数の増える煙草

#2686
適当に作った親子丼

#2687
一畳そこそこの天幕内は最高の読書ルーム

#2688
朝のバターロール

#2689
フライシートを優しく濡らす雨


明るいうちにキャンプ場に着いて、早々とテントを設営し、適当に荷物を前室に放り込む。
炊事場に水を汲みに行ったら、後はブーツを脱ぐ。
靴下をその辺に放ったらロールマットを広げてすぐに横になる。

周りのキャンパーは火を起こしたり夕食の準備に忙しくしてるけれど、僕はまず昼寝ならぬ夕寝。
ぐだぐだしてるとあっという間に日が落ちて、場内のあちこちでランタンに火が灯り、缶ビールをプシュッと乾杯の音頭が聞こえてくる。

面倒だけど、腹もすいてるので僕もようやく重い腰を上げ、雑に置いた荷物の中からバーナーと食材を見つけ出す。
一応椅子も持ってきたけれど、組み立てるのも面倒なのでロールマットの上で胡坐をかいて、そのまま調理。
食べたら水をはって、そのまま朝まで放置。

横になった状態で片肘をついて上体だけおこす。
荷物はすべて手に届くところに放ってある。
その中から珈琲を飲む為のコッフェルを探し当て、水を注ぐと、またバーナーにかける。
豆から挽いて淹れる人に憧れたりもするが、ものぐさな自分はインスタント。それを片手に花村萬月のエッセイを読み耽るのだ。

自分の野宿旅を題材にした、いわゆる自伝のような内容で、僕は旅の中でまた花村萬月の旅を疑似体験した。

夢中になって読んでいたので、隣接の温泉施設は閉館時間はとっくに過ぎていたけど、「もういいや。」とそのまんま。
そのうち天気予報通りの雨が降り出して、フライシートがパラパラ音を立てる。
真っ直ぐ突き刺さるような雨の降り方は好きではないけれど、こんな風に囁くような雨音は悪くない。

雨が降り出したせいか周りで賑やかに行われていた宴会も終わって静かになる。
「そろそろ寝ようか。」と、コーヒーを飲み終えたコッフェルに水を汲んで寝転がったまんま歯磨き。
口に含んだ水は勢いよく前室の外に向かって勢いよく吐き出す。

寝袋も持ってきたけれど、広げるのも朝に仕舞うのも面倒なので、そのまま広げずに枕にする。
今日何本目かの煙草に火をつけて、灰皿代わりの空き缶をそばに置く。

オレンジ色のランタンの光に煙草の煙がゆらゆら浮かんでみえる。
フライシートの下に見える小さな穴は煙草の灰で開いた穴だ。

囁くような雨音は朝方まで続いた。



OLYMPUS OM-D EM-1/ズイコーデジタル12-40ミリ
2015.5

2 Comments

watermind says...""
「そのうち天気予報通りの雨が降り出して、フライシートがパラパラ音を立てる。真っ直ぐ突き刺さるような雨の降り方は好きではないけれど、こんな風に囁くような雨音は悪くない。」 。。。良いですね。
天幕に落ちる雨音に旅情を感じて旅から旅へと放浪した若い日が蘇ってきました。
いつも心を震わす文章、嬉しく読ませて頂いております。
ありがとうございます。
2015.06.05 20:46 | URL | #- [edit]
yasu1995 says..."Re: タイトルなし"
watermind様、コメントありがとうございます。
返信遅くなって申し訳ありません。

あの薄いフライシート一枚で中と外を隔てる感覚は不思議なものがありますね。
雨の日のキャンプは好きではないですが、雨音を聞くのは嫌いではありません。不思議なものでほっとする時すらあります。

こちらこそ、ご訪問いただきありがとうございます。
2015.06.07 15:35 | URL | #- [edit]

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