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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

R100RSの事

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

#478
2010.4 明日香村にて

ほんの短い間の付き合いでしたが、僕には忘れられないオートバイがあります。
それは今現在乗っているオートバイのひとつ前に乗っていたR100RSです。

2006年、真夏の夜の中央自動車道。ここでは書けないスピードでの長い長い持久走(意地の張り合い)の末、当時の僕のオートバイを置き去りにした一台のオートバイ。
それがBMW R100RSとの出会いでした。

別に恋い焦がれたというわけではありませんでしたが、8年間乗っていたオートバイが車検を迎えたタイミングで、偶然綺麗なRSの中古車を見つけました。ピカピカに磨きこまれたショールームのRSを見た瞬間、その時の事が甦り、興味がむくむくと湧きだして頭から離れなくなってしまいました。

2010.4にRSを購入し、その年の9月まで乗りましたが本当にいいオートバイでした。

#479
2010.4 明日香村にて

#532
2010.5 能登半島 大沢集落にて

2バルブOHVのエンジンはフラットなエンジンフィーリングで、4サイクルDOHCのエンジンほどアクセルワークに敏感ではなく、ゆったりとした気持ちで運転することが出来ます。何よりも縦置きのクランクシャフトの振れ、スライドするプッシュロッドの動きなど、メカメカしい振動が心地よく感じられ、ただ乗っているだけで楽しかったです。

「スピードを出さなくても楽しい。」

それまで4サイクルのDOHCエンジンにしか乗った事の無かった僕にはカルチャーショックでした。

またRSには鉄仮面と呼ばれる大きなカウルがついていて、このカウルの効果は絶大でした。
5月初旬に能登半島へとツーリングへ出かけましたが、夜中のSAで、休憩が一緒になったW650のライダーはあまりの寒さにひざを抱えてうずくまっていたのにたいし、僕はトイレを済まし、煙草を一本吸ってそのまま走り出した記憶があります。また、帰りの高速上で雨に降られましたが、グローブ以外は全く濡れませんでした。

疲れにくいエンジン特性と防風効果の高いカウル。
この2つの特性が合わさる事で体力の消耗は極めて少なく、この時の走行距離は日帰りツーリングで約1000km。
僕自身、初めての経験でした。

#504
2010.6 福井県武生にて

RSを手に入れてから、京都にある自宅から伊勢志摩までの夜勤明け半日ツーリングや、3時間で福井の越前そばだけ食べて帰るツーリングなど走行距離がどんどん増え、半年で6000kmを超えました。

いつかの僕を置きざりにしたRSを思い出しては、にんまりとしながら「こりゃ反則だろ。」とつぶやかずにはいられませんでした。

良い事ばかり書いてきましたが、勿論悪い面も多々あります。

この類のオートバイは発売して30年以上たっていますから、あちこち修理が必要な状態でした。購入初期は色々な個所からのオイル漏れや電装系の不良に悩まされました。
エンジンは「正常でも1000kmで1Lのオイルを消費する」と言われ、実際にもオイル消費は激しく、キャップを空けたらオイルが殆ど入ってなかったという事もありました。

防風効果の高いカウルと書きましたが、初夏の頃には、その防風効果が仇となってエンジンからの熱を逃がすことが出来ず、随分と暑い思いをしました。ツーリング仲間がライダースを着て走っているのに僕はロンT一枚で、まだ暑いという感じでした。

でもそんなことは可愛いもので、僕が一番悩まされたのがウォブリングでした。

シミー現象とも言いますが、要はハンドルの振れです。
ステムベアリングの不良によるものか、タイヤの摩耗によるものか、いまとなっては不明ですが、とにかく走行途中にハンドルがものすごい勢いで振れ出します。
個体差はあるようですが、これもこのオートバイの欠点として上げられます。

国産車でも経験したことはありましたが、それとは比べようもないくらい振れます。「振れる」と言うよりも「暴れる」と言ったほうが良いくらいで、走行中に振り落とされるんじゃないかという怖い思いを何度もしました。

これは大げさではありません、この感覚は味わったものしかわからないと思います。

#711

2010.9、初めて行った東北でこのウォブリングが出てしまい、殆ど走る事が出来きませんでした。度重なるウォブリングに悩み疲れていたことが影響したのか、一瞬の判断ミスで軽自動車との衝突事故にあい、RSは廃車となってしまいました。
RSは全損だったのに僕は思いのほか軽傷だったので、職場の人間からは「お前は不死身か!」とビックリされました。
今思えばあの鉄仮面のようなカウルが僕を守ってくれたのではないかと思っています。

RSとは購入からたった6か月の付き合いでしたが、RSから2バルブOHVの乗り心地を知って、今現在の相棒を購入するきっかけになった事は間違いありません。

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