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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

重松飯店の焼豚玉子飯

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

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今年の夏は瀬戸内の海道を旅した。
その二日目の夜、僕は今治のサンライズ糸山に荷を解くと、それまで着ていたライダースもベッドに放って、Tシャツ一枚でオートバイを走らせた。

今治の夜の町は思っていたより交通量も多く、車のテールランプと国道沿いに立ち並ぶ様々な店の蛍光灯が明るくて、とても賑やかだった。
昼間のまとわりつくような熱気も冷めて、Tシャツをばたつかせる夜風はとても冷ややかで気持ち良かった。

そうして向かったのは住宅街の中にある重松飯店。地元では「シゲハン」の愛称で親しまれているらしい。
お目当ては焼豚玉子飯。

注文して運ばれてくるまでの間、周りを観察してみると、平日の夜だったせいもあってか、観光客は僕一人。他は皆地元の人たちばかりで特に仕事帰りのサラリーマンが多かった気がする。
皆、この焼豚玉子飯を食べていた。

注文から5分と経たないうちに、焼豚玉子飯が運ばれてきた。
白飯の上にスライスされた焼き豚が乗っていて、更にその上には半熟の目玉焼きが乗せられている。
まさに焼豚玉子飯だ。

目玉焼きを崩し、かなり甘いたれと混ぜ合わせて戴く。
味は濃く、疲れた身体には美味しく感じられたが、食べ進めるにしたがって少し胃もたれする味だったので、「大盛りにしなくて良かったな。」と言うのが正直な感想。

店を後にして、オートバイを来島海峡大橋のたもとまで走らせる。

展望台のような場所でオートバイを停車し、自販機で缶コーヒーを買う。シートに座って煙草を一本。
夕方、茜色に染まった美しい瀬戸内海も、夜は当たり前のように暗く、無数のライトが取り付けられた来島海峡大橋の形状だけが闇夜に浮ぶ。

辺りは静かで、エンジンの「キン、キン。」という、旅の余韻のような音だけが聞こえていた。



OLYMPUS OM-D EM-1/ズイコーデジタル12-40ミリ
今治 2016.8

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