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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

ツーリングおさめ

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

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12月12日、曇り時々晴れ。

「もしかしたらこれが今年の走りおさめになるかもしれないな。」と思いながら、一か月ぶりにオートバイに火を入れた。

少し前にインフルエンザにかかって以降、体調が芳しくなかったので「無理はせず、距離は短めに。」
久しぶりのツーリングで、はやる気持ちを抑えるかのように、心の中で自分にそう言い聞かせながら、そろりをクラッチをつなぐ。

地図は持たず、走り慣れた道をぶらりと流す。
生憎の空模様で景色は淡い。木々の落葉が進み、景色は色を失ってしまって、気づかないうちに季節はまた一つ進んでいた。
山間部に入ると気温がぐっと下がって、身を切る様な向かい風に自然と体がこわばってしまう。
今は無料化された山岳道路に入って標高が上がると、吹き付ける風がますます強くなって、それに流されるようにオートバイの挙動が不安定になる。

ヘルメットの中では風切音が嵐のように響いていたが、心の中は不思議なくらいに穏やかだった。

山を下ってダム湖周辺を走り、雑草に埋もれた廃道から湖の縁までオートバイで降りる。
ヘルメットを脱ぐと辺りは嘘のように静まりかえっていて、湖面は時が止まったかのように静止しているように見えた。

何でもない景色をぼんやり眺めて、しばらくするとまたオートバイに跨り、走りだす。
そんなことをもう22年も繰り返してきた。

けれど、まだ飽きる事もなく続けている。
この年になったから思うのだが、どうやら僕にとってオートバイで走ることはもはや趣味ではなく、当たり前の行為になりつつある。
息を吸うかのように、オートバイを走らせる。

18歳の頃から、今日まで22年間乗り続けて人に自慢できるほど得たものはない気がする。それでも、もしオートバイに乗っていなければ、僕の人生は随分とつまらないものになっていただろう。
乗りはじめの頃のような特別感は無くなってドキドキしなくなってしまったけれど、18歳のトキメキは今もまだ色褪せてはいない。



RICOH GXR/フォクトレンダー NOKTON classic35mmF1.4
2016.12

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