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旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

Aero Letherのハーフベルト

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

#4405

 僕の故郷は町の面積の半分以上を広大な農地がしめる、ものすごい田舎なんだけど、そんな田舎に、カントリー調のおしゃれで場違いな衣料品店ができました。確か僕が中学生くらいの時だったと思います。それまで寂れた商店街の、学生服を取り扱っているような店でしか服を買ったことのない僕は、その場違いなお店を「ちゃらちゃらした店」として敬遠していました。なのにどうしてその店に入ったのかは今でも記憶にありません。多分、姉か友人の付き添いで入ったのだと思います。

 店内は、アウターやシャツ、パンツが所狭しと並んでいて、どれもおしゃれでした。素人の僕が見ても仕立てが良いのは一目瞭然で当然プライスも未だ見た事のない数字が並んでいました。中学生の僕に買い物できるようなものは無く、「服にこんな値段付けるなんて馬鹿じゃないの?」なんて、冷やかし気分で商品を眺めていると、その中で一つだけ、目を惹くものがありました。

 ある革ジャンに取り付けられた、海沿いの道を疾走する車とオートバイのイラストが描かれたタグ。当時からオートバイが大好きで、高校生になったらすぐに自動二輪免許を取得するつもりだった僕には、このタグはあまりにもクールで刺激的でした。「この革じジャンを着てバイクに乗ったらすごくかっこいいだろうなぁ・・・。」なんて妄想を抱いてしまい、それからは、この店を尋ねる機会があると必ず、真っ先にこの革ジャンを探して穴が開くほど眺めていました。

 それが、このAero Leather。1975年創業。スコットランドで生産される、ホースハイド(馬革)の革ジャン。その革は肉厚なフロントクォーターの革を使用しており、床に置けばそのままの形で立ってしまうほどの固さを誇ります。(通称エアロ立ち)
 最初の出会いから5年。社会人になって、少ない初任給を握りしめて、この店に行ったときは足が震えたことを今でも覚えています。買った時は嬉しくて嬉しくて、通勤でもプライベートでも、寝る時さえも着ていました。(先に書いた通り、自立して立ってしまうほどの固い革でしたから、肩こりも半端なかったです。)
 それから更に20年が経過して、現在に至ります。さすがに今では毎日着る事はありませんが、オンシーズンの月の1/3位は着ていると思います。おかげで今ではエアロ立ちはしないほどに革は柔らかく馴染み、脱いでも僕の体の形になっています。アクションプリーツとファスナー下のフラップがない為、ライダースとしてはどうなのかと思う部分もありますが、とにかく頑丈で、驚く事にこの20年間の間に修理は1回だけ。ファスナー交換のみで、他は一切のトラブルはありません。ツーリングに使用しているので、革に大敵な雨にはもう何度も濡れていますが、クロムなめしですし、ケアをしっかり行ってきたので、何ら問題はありません。

 正直、安い買い物ではありませんが、20年以上たってもヘタることなく、更に艶を増していく。そして20歳でも40歳でも違和感なく着られるものってそうそうないんじゃないでしょうか?きっと60歳になっても僕の傍らにあると思います。

 Aero lether、これはまぎれもない”本物”です。

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