旅とカメラとオートバイと

旅の悦楽

僕にとって旅とは悦楽だ。通信機器、移動手段が著しく発達した現代において、もう旅なんて呼び方は大げさなのかもしれない。それでも金泉寺や仁摩で出会ったおじさん達、長岳寺で僕の足元から離れようとしなかった野良猫、桜島フェリーの上で、少女と交わした視線。彼らと共有した時間は僕だけのものだ。もしかしたら誰が一度物語を完結させたのかもしれないその場所で、再び僕らが繰り広げるそれそのものが、僕にとっての「旅の悦楽」なのであります。

近江ちゃんぽん「をかべ」

Posted by yasu1995 on   0 comments   0 trackback

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 昨年末。カメラを携えて、彦根城界隈を散歩しました。その日は朝からどんより曇っており、小雨も降って大変寒い一日でした。手袋を忘れて、手がかじかんでジンジンと痛かったことを覚えています。昼前からスタートし、日が傾くまで方々を歩きました。結構歩いてお腹もすいたので、ふと立ち寄ったのが近江ちゃんぽん発祥の地「をかべ」。創業昭和38年の老舗です。

 をかべのちゃんぽんの美味しさは、昔から地元でも有名で、近辺に住んでいた僕もよく家族で食べにきていました。残念ながら少し前に地権者との契約切れで、店舗は現在の場所に移りました。味は昔と変わらず、野菜をふんだんに使ったとても優しくあっさりとした、だけどそれだけではない深みのある味。数年前から滋賀県内のあちこちでできている、フランチャイズのお店とは似て非なるモノかなというのが、正直な僕の感想です。

 テーブルにちゃんぽんが運ばれてきたとき、鞄からコンパクトデジカメを取り出すと、外でカンカチコンに冷やされていたカメラのレンズがちゃんぽんの熱気で曇りだし、なんだかドリーミーな写真になってしまいました。食べ始めると、今度は僕の鼻水が止まらなくなって、麺と一緒に鼻もすすりながら食べました。

 店内は僕と店主のおじいさんとおばあさんだけでとても静かでした。カウンターに備え付けられたTVの音だけが鳴っていて、無言で皆、ニュースを見ていました。そのうち、おじいちゃんが「少し出かけてくる。」と席を立った途端、おばぁちゃんがここぞとばかりに夕飯の買い物を頼むと、「この寒いのに。」と不満げに、白衣の上に年季の入ったジャンパーをひっかけて出ていくおじいさん。田舎の、家族経営の食堂なんかではよくある風景です。

 をかべのちゃんぽん。決して斬新な味ではないですが、それがかえって珍しいというか、なんだかまた食べたくなる味です。


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